デモを目の前にして。
前回のエントリーでも書いたように、先週末もまた大きな大統領退陣要求集会が行われてました。
わたしはちょうどその日、KUBAのアクティビティで集会が行われる光化門前のすぐ横を流れる清渓川(청계천)で行われたランタンフェスティバルに行く用事があったので、実際にデモの様子を目にすることが出来ました。
まず、電車で鍾路3街駅まで行くときに、途中市庁駅で乗り換えたんですが、その時に見かけた出口に向かう人の数。
とっても見づらいんですが、階段までビッシリで、もはや改札内まで溢れそうな人だかり。
市庁駅って近いとは言えども光化門から少し距離はあります。一番メインで人が多いと思われる光化門から離れたここでこの人の多さ。
もうこの時点でいつもの光景じゃありませんでした。少し怖さまで感じちゃう。
いざ清渓川に着いてからは、鍾路3街駅あたりから光化門の方に向かって歩いて行っていたのですが、徐々に増えていくロウソクを持った人たち…
文字通り、老若男女。
小さい子供を連れた家族、制服を着たままの中高校生や、カップル、おじいちゃんおばあちゃん。
通りすぎる顔はいつもとなにも変わらないけど、みんなロウソクを持って、ある人はスローガンを持って、ある人は太極旗を掲げて。
その光景はちょっと狂気的でもありました。
聞こえてくるのは、ヤジや糾明する声でもなくて、高らかに歌う声。
光化門を中心に周辺の道路はほぼ封鎖。大規模行進も行われていました。
ほぼ大動脈である鍾路を多くの人が埋め尽くしてる姿なんて、普通の留学生活しててもなかなか見れないので、わたしはただただ「すごーーーー……」しか言えなかったんですが…。
そして渡された一枚のスローガン。
박근혜 퇴진 パククネ退陣
裏には이게 나라냐?(これが国なのか?)って書いてあります。
もちろん外国人なので、今回のこの事件の規模・影響の大きさを韓国人と同じレベルで感じることはなかなか難しいんですが、それでも歴史上でもとてつもない大きな出来事だと言うのをデモを実際に見てジワジワと感じました。
今回のこの大統領退陣要求デモは、わたしの想像していたデモとは少し違って、ある意味平和的なデモと言われているそうです。
もちろん、一部では警察との衝突もあったようですが、私が想像していた、もっと厳かで一触即発な暴力的なデモとは全く形が違いました。
終わったあとも市民自らゴミを拾って、次の日の朝にはほとんどいつも通りの姿に戻っていたなんてニュースもありました。
わたしは今授業で韓国の政治を時代の変遷に沿って見ていく授業を取っているのですが、授業聞くのに必死&レジュメに追いつくのに必死なわたしでも、韓国は昔からデモや学生運動が本当に盛んだったんだなあ、という点には引っかかっていたのですが。
その度に警察と衝突して、負傷者や死亡者も出ていたそうですが、それでも全国的に韓国の政局の非道徳的、非理に対する糾明として行われてきた一つの訴えの方法なんだと、これも一つの文化といえば文化なのかなとも思います…
先週末のデモの参加者は警察発表と主催者側ではかなりの数の差がありますが、主催者側によれば130万人以上いたのではないかとも言われてます。
박원순, 빅데이터로 팩트폭력…“촛불집회 132만명 참가” : 네이버 뉴스
警察は25万人とか言っているみたいですが、あの人の埋まり方で25万はちょっと信じがたいですね…(笑)
写真: 매일일보 모바일 사이트, 촛불집회에 광화문 인근 편의점 매출 ‘껑충’
韓国の政治を今まであまり詳しく勉強したことなかったのでどうこう言える立場ではないですが、今が韓国にとって大きな曲がり角であることは明らかですし、
そのタイミングに居合わせてることは、留学生活の中でも意味深いし、貴重な経験だと本当に思います。
もちろん日々の生活も印象深いですが、今回のことは片手に入るくらい印象深い出来事になると思います…
決して良い事ではないけれど、これからどうなるのかも気にしていたいし、やっぱりニュースを気にしていないとダメだなとも思いましたし、じゃあ一体日本はどうなんだと、フィードバックする良い機会にもなりました確実に。
集会は毎週末まだ続くみたいです。どんどん人が増えていくと予想されてますが…
このまま平和的なデモが続くといいのですが…ちょっと不安な日々が続きそうです。
[追記 11/17]
今日、韓国と国際社会という授業で教授がデモについて触れていたのですが。
今日おっしゃっていたのは、
韓国は今までも民主主義的な訴えとして何度もデモを行ってきたけど、時代が進みながら色々な制度が整備されて、 攻撃的なデモを行わなくても、今回のようなデモの行い方で十分に政府に対して要求することが出来るようになった。これも今までのことを考えると成長。
なのに、政府はこれだけの要求にもきちんと対応しないから、不満が噴出して攻撃的なデモに戻ってしまうかも分からない危険性は常にある。結局これでまた今までのようなデモを行ったら、政府だけじゃなくて、怒りを抑えられなかったという点で国民まで恥をかくことになる。今を乗り越えれば、大きな変化が起こることも十分有り得ることで、期待もしている。
と。
この教授のお話は毎度毎度、聞き応えがあって日本語で聞いて100%理解したい!と思うくらいなんですが、
こうした韓国人のお話を聞ける、学生やテレビの情報も勿論ですが、専門的な観点を持つ人の話を聞けるのも貴重だなと思いながら聞いてました。
でも結局誰に聞いても、行かないで家でぼーっとテレビを見てるのもなんか違うって言うんですよね…
興味本意な人もいないことはないとは思うんですが、やっぱり当事者意識は強いなあ…と。